昔々、何もスキルがない私はアダルトビデオメーカー(以下、AVメーカー)で働いていたことがありました。
なぜAVメーカーを選択肢の一つに選んだか、理由は3つ。
- これまでの経験していた営業職はやりたくなかった
- 失恋をして心に大きな傷を負っていた
- 金がもらえるなら多少ヤバい仕事でもいいや
人生投げやりになりながらも求人誌やネットで仕事を探しているときにみつけたのがAVメーカーでした。
ですが、応募の時点ではAVメーカーとは知らなかったんです。
当時はネットもそこまで普及しておらずコーポレートサイトなど存在せず、情報も多くありませんでした。
私はすでにネット環境を整えていたので調べはしたが、会社も起業1年目でまだまだマイナーだったため「もしかしたらエロい会社なのかな?」ぐらいの印象でした。
そして面接に行くとやっぱりAVメーカーじゃん! という感じで理解しそのまま就職することに。
あんなことやこんなことができるわけじゃない

AVメーカーで働くと気持ちいいことがあると考えたあなた、そんな事はありません。せいぜい作品パッケージが視界に入ることや、撮影用の衣装が転がっているぐらいです。
作品の中には事務所の中でヤってしまうような設定の物もありますが、それはあくまでも設定であって本当の社員が女優さんとカラむ事はありえません。
意外とフツーの会社なんです

とても特殊な世界と考えているかもしれませんが、AVメーカーもフツーの会社です。職種だってその辺の会社と大きな違いはありません。
- 営業(各ビデオショップへ自社作品の注文受付)
- 物流(各ビデオショップへ自社作品を出荷、及び管理)
- 経理(一般的な経理です)
- 広報(自社作品のPR活動やパッケージ制作)
- 制作(あんなことやこんなことをしている様子を撮影)
私の担当する職種は物流部、つまりアダルトビデオの出荷や管理です。
ビデオショップへの出荷作業に在庫管理、そしてアルバイトスタッフの管理もしていました。
人材が不足すれば求人をかけて面接することも。
実際に応募してきた人たちも、AVメーカーとは知らずに応募してくるパターンが多かったです。
AVメーカーならではの風景も

性技のレクチャー
会話の内容がセクハラ発言オンパレードなのは仕方ないのですが…。
ある日、新入社員の広報さんが先輩に性に関する専門用語の質問をしました。優しい先輩は新入社員にわかりやすく教えてあげたのですが、その会話をしている2人がなかなかな美人なんですよ。

先輩、この○○○○○ってなんですか?

それはね、○○○を喉の奥まで入れる○○○○○のことよ

そうなんですね、ありがとうございます、メモメモ……。
※ストレートな表現なため、伏せ字にさせていただきました。
ちなみに彼女らは作品に出演するような方々ではありません。
裸の女性が…
ある日、帰宅しようと事務所を出たところに裸の女性が立っていました。ちょうど撮影するところだったようです。
一応、礼儀として「お疲れ様です」と挨拶して帰りました。
犯罪の予感?
作品の出荷にダンボールの中で暴れないよう新聞紙を丸めて入れるんです。その新聞紙を車で運んでいるとき、パトカーに止められました。
車は制作部が機材を運んだり撮影に使ったりするもので、後部座席には臭いそうなシミもあります。そしてドアミラーには駐車禁止のチェーンが巻かれていたのです。
私が駐禁したわけではないので駐禁に関しては納得いただきましたが、荷物を確認したいとのことでハッチバックを開くと…。
一瞬、時が止まったかと思うほど静けさに包まれる空間ができあがりました。
警察官からすれば犯罪の予感しかしないですよね。
でも社名を名乗ったらあっさり納得してくれました。設立1年弱のAVメーカー名を知ってる警察官もなかなかのマニアですね。
これからAVメーカーで働こうと思っている方へ
上記で説明したとおり、取扱商品がエロいだけで他はフツーです。
私が勤めていたとき(ビデオテープ主流の頃)はAVバブルの始まりな頃だったこともあって会社も急成長したが、今の時代はAVメーカーの乱立や違法アップロードなどにより以前ほど利益が望める環境ではありません。
それでも求人サイトを見てると、たまに募集しているのを見かけます。
映像制作やパッケージデザインなど、クリエイティブなスキルを一時的に学ぶのであれば良いかもしれませんが、下心で入社しても気持ちいいことはありませんので勘違いしないように。
これを見ているあなたが次の仕事を探す際の参考になれば幸いです。